最新情報

知って得する バイオマスプラスチックとは何ですか

変わりつつあるプラスチック製品

コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンが、2019年7月中を目途に、全国で販売しているすべてのおにぎりの包装にバイオマスプラスチックを配合した素材を導入すると発表しました。
私の御用達、セブンイレブンが一大決心をしてくれたのです。

これはセブンイレブンだけに限ったことではありません。
セブンイレブンに限らず、いま各企業が石油燃料由来のプラスチックからバイオマス(自然素材由来燃料)プラスチックへの切り替えを進めたり検討をし始めています。

なぜこのような流れになっているのでしょうか?
そもそも、バイオマスプラスチックとは何なのでしょうか?
今回は、バイオマスプラスチックの今までと、これからの市場の動向も含めて特集したいと思います。

バイオマスプラスチックは何でできているの?

バイオマス
バイオマスプラの原料になるトウモロコシ

バイオマスプラスチックとは新しい概念ですので、未だ世界的に統一された定義はありません。
そのことを前提に書かせていただきます。

今まで私たちが手に取っていたプラスチックは、化石燃料である石油から作られています。

それに対して、「バイオマスプラスチック」は潤沢に均一な品質のものが得られるトウモロコシなどの穀物資源、サトウキビなどから取り出される糖類が主体の原料となって作られるプラスチックです。
名称も特殊です。
バイオマスという名称は、バイオ(生物)とマス(量)の結びついた生態学の専門語なのです。
バイオマス原料の詳細については「バイオマスプラとはなんですか?バイオマスプラの歴史」をご覧ください

バイマスプラスチックは、原料となる植物が生成時の光合成で二酸化炭素を吸収するため、使用後に焼却してもCO2の総排出量を抑えられると考えられています。

つまりこのバイオマスプラスチックを従来の石油由来のプラスチックに変えることにより、マイクロプラスチックの削減と二酸化炭素排出量の削減、つまりそれが原因となって引き起こされていると考えられている地球温暖化・環境汚染・資源枯渇問題への取り組みが期待されているのです。

また、微生物が分解する「生分解性プラスチック」も開発が進んでおり、この二つを合わせて「バイオプラスチック」と呼ばれ、今世界で注目が集まっています。


公式で表すなら、「バイオマスプラスチック」+「生分解性プラスチック」=バイオプラスチック となります。


ではバイオマスプラスチックはリサイクルできるのでしょうか?それとも新たなゴミの山を生み出すのでしょうか。

バイオマスプラスチックはリサイクルできるの?

答えはズバリ、できます!

バイオマスプラスチックは熱や圧力を加え、形成加工して新たな製品へと生まれ変わることもできます。

それに加えバイオマスプラスチックは、カーボンニュートラル、つまりCO2を排出しない資源ですから、燃焼させて電気や熱を生み出すこともできます。
生分解性を持つバイオマスプラスチック製品であれば、微生物によってバイオマスプラスチック製品は分解されて土や堆肥となります。

このようにバイオマスプラスチックは地球資源を活用でき、有効にリサイクルできるとあって、環境問題への危惧から世界各国で使い捨てプラスチック規制への動きが強まってきている今、日本政府も企業もこのバイオマスプラスチック活用の波に乗ろうとしているのです。

日本での方針と国内バイオプラスチック市場の動向

プラスチック資源循環戦略

バイオマスプラスチック

2019年5月31日、「プラスチック資源循環戦略」が策定され、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)+Renewable(持続可能な資源)」が基本原則として打ち出されました。

その中では、2030年までに約200万トンものバイオマスプラスチックの導入を目標に掲げています。
ちなみにこのプラスチック資源循環戦略で、レジ袋の無料配布禁止が打ち出されたことは、多くのニュースで取り上げられていましたよね。

また、2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルにするという目標も掲げられました。
しかし今までプラスチック容器を製造していた工場がバイオマスプラスチックを製造するには、多額の設備投資が必要になります。
そこで環境省は、バイオマスプラスチックや紙を生産する企業を対象に50億円の補助金を2019年度の概算要求に盛り込んでおり、石油系プラスチックからバイオマスプラスチックへの切替を促す方針です。

バイオマスプラスチックの消費拡大

バイオポリエチレンやバイオポリエステルの登場により、2010年以降バイオプラスチック市場は活性化していましたが、大口ユーザー企業の新規採用がひと段落した2015年頃から横ばいとなっていました。
ちなみに2017年のバイオプラスチック国内出荷は4万7780トンでした。

しかし、2018年は記録的猛暑の影響で清涼飲料水の需要が大幅に伸び、それに使用されるバイオPETの出荷も増大しました。

2018年のバイオマスプラスチック国内出荷は5万1285トンで、2017年の7.3%増加する見通しです。
2018年の伸び率は天候の影響による一過性の成長とも考えられますが、多くの企業がバイオマスプラスチックへの切り替えを進めていることを考えれば、今後さらにバイオプラスチック市場は本格的な成長を遂げていく可能性が高いと言えます。

現にファミリーマートではサラダの容器に使用されるようになりましたし、ローソンやミニストップでは一部店舗のレジ袋に使用されるようになっています。

わたしたち木村容器のパッケージコンシェルジュの元にも様々なご相談が舞い込んでいます。
木村容器のパッケージコンシェルジュのバイオマスプラスチックに関する知識は潤沢です。
ぜひ何なりとご相談ください。

バイオマスプラとはなんですか?ーまとめ

現時点では石油系プラスチックよりコストもかかるため、普及度はまだまだ低いバイオプラスチックですが、世界的な環境意識への高まりや生産補助制度の整備などを考えると、今後の市場の拡大が予想されます。

「脱石油」の流れは、もう来ているのです!このウェーブ、Youも乗っちゃう?

木村容器のパッケージコンシェルジュは、バイオプラスチックを使用した様々な包装容器や袋をご用意しております。
環境に優しい包装容器の導入を検討されているお店様は、是非ご相談ください。

この記事をシェアする

Facebookでシェア! Twitterでシェア! HATENAブックマーク メールで送る